Story
あらすじ
東京の会社に勤務する洋子は仕事で多忙な毎日を過ごす傍ら、定期的に実家へ帰省をし、父・忠勝とともに認知症の母・千恵子のケアをしている。千恵子の症状は近頃進行が早く、洋子が数年前に離婚したことさえ忘れ、帰省の度に元夫と娘について聞くのであった。
ある日、洋子は取引先の担当者から、「レンタル家族」というサービスを紹介され、体験レンタルを強く勧められる。耳馴染みのないサービスに戸惑ってはいたが、断りきれない洋子はレンタル夫を家事代行として自宅に呼ぶ。派遣されたレンタル夫の松下豪と馬が合った洋子は、松下に千恵子のことを相談。すると松下は、自分を夫、知り合いの子役・安田朱里を娘として、家族を演じることを提案する…。
日々進行していく千恵子の認知症、不器用ながら千恵子を支えようと奮闘する忠勝、複雑な事情を抱えながらレンタル家族を担う松下と朱里。洋子は、自分を取り巻く“家族たち”と月日を重ね、新たな幸せのかたちに触れていく。













家族が定期的に入れ替わったりシャッフルしたら平和な世の中になるのではないか。
『レンタル家族』はその最初の一歩を描いた作品だと思いました。
全世界、レンタル家族が当たり前になるとよいなと思います。
まずは僕もレンタル家族をやってみたいです。 そして家族から優しくされたいです。
彼女は、夫と娘が離れて行こうが、お母さんが自分を忘れようが、明るい笑顔を見せる。
今にもポキンと折れてしまいそうなギリギリの所で耐えている。真面目すぎるんだよ。でもこのすぎる所が愛おしい。
10年ほど前、上坂監督はすでに「レンタル家族」の構想を話していた。
映画を見ていて、この“家族“はどうなってしまうのか。ハラハラしながら見ていた。それが途中から、もっと深く浸透してきた。
レンタル家族をすること。これってまさに、俳優そのものだと思った。
俳優部と演出が素敵すぎて、尊敬でしかない。
赤の他人から始まる「かぞくごっこ」が芝居の中で生々しい愛おしさを増していくグラデーションが素晴らしい。紙きれ一枚で人は他人から家族になり、また他人に戻る。記憶を失えば肉親すら関係値は他人になる。主人公・洋子が寄り添い続ける他人と家族の狭間には、確実に流れる透明のなにかがあった。それは愛か虚構か繋がりか。
上坂監督の目線はどこまでも優しく、慌てることなく、その透明を見つめている。
だからこそこの映画は意外な感情に着地して驚いた。観てよかった。
‥ってこれが初監督作品だって!?まじかよ上坂監督!!
レンタルできない、かけがえのないもの。それが家族。
教えてくれた素敵な映画。
主演の荻野友里さんのお芝居が素敵でした。
荻野さんと物語を歩んでいけたので、レンタル家族がリアルに感じられました。
早くも「家族代行」ものが日本映画の一大ジャンルになりつつあるのを見ると、人は何かそこに日本社会の縮図のようなものを見出すのでしょう。とても興味深いです。
一方で、演じる俳優にとってはまさに虚実の皮膜に触れる難役にならざるをえないはずだけど、『レンタル家族』の出演者たちは見事にそれをやりこなしていました。
一人上げるのならやはり荻野友里さん! 本当に素晴らしくて、俳優としてのとんでもない深みを見せつけられました。
俳優たちの仕事を丁寧に汲み取っていく監督の視線も良かったです。
とっても切ないのに後味は爽快!
どんなに笑って元気でいても、人には様々な苦い面もある。でも今を生きていくんだという強い意志があれば大丈夫なのよね、きっと!!
そして、お母さんの声が明るくて哀しみも薄らぐの。
"ご機嫌よう!"の精神で生きて行こうって改めて感じたわ!!
家族をレンタルするという題材によって、人はすべからく演技して生きていることを知る。
という「映画」のために、演技すべくレンタルされた「俳優」という職業の奥深さもまた知る。